エッグドナーさんはアンタゴニスト法で採卵する その2
クリニックの初診日に血液検査、ホルモン値の検査、エコーによる卵胞の確認が行われ
その結果に合わせて排卵誘発剤使用量が処方され、
その日の晩から自己注射が始まりまると書きました。
それではそれを具体的に見ていきましょう。
例えばハワイのクリニックであれば、
hMG としてメノピュアとゴナールFが使われます。
メノピュアは卵胞の発育に必要なFSHとLHの両方が
(1:1)の割合で入っている排卵誘発剤です。
hMGは閉経期の女性の尿から作られますが、
それはこの時期の女性の尿が大量にFSHとLHを含むからです。
閉経期の女性の尿が、採卵するための女性の卵胞を育てる
というのはとても不思議なことですね。
(FSHやLHなどについては、このブログの女性ホルモンの基礎知識(その1~その5)として、分かりやすく解説しているのでご参照下さい)
(FIHのクリニックのあるメディカルビル)
その後通常は初診から5日目、8日目、10日目にクリニックで診察を行って、
左右の卵巣の卵胞数とその大きさを測定して、卵胞の成長を観察します。
卵胞が15mm~16mmぐらいまで育ってきたら、
GnRHアンタゴニスト(セトロタイドというお薬)を打ち始めLHの分泌を抑えます。
それまでの努力が水の泡となってしまいますからね。
卵胞が成熟し、20mmを超えるようになると、正式に採卵日が決定され、
最後にhCG注射を打ちます。
hCGを打てば、それからだいたい36時間後に採卵します。
ドナーさんによって薬の効き方には差があって、卵胞の成長具合が異なるのです。
当初の採卵日の予定から2日間くらい遅れることもあります。
そうなると私たちは、ドナーさんのホテルの延泊などの対応や、
帰国便の飛行機の変更などの対応をすることになります。
現地スタッフにもその分スケジュールを空けてもらう必要もありますね。
採卵は全身麻酔で、経膣式の手術によって行われます。
医師が超音波によるモニター画面を確認しながら、
膣壁を通して卵巣まで穿刺針で刺して、卵胞をひとつひとつ突いては、
卵胞液ごと卵子を吸引して行います。
1回のエッグドナーさんの採卵数は20個から40個ほどで、
人によっても、また同じ方でもそのタイミングによっても、
クリニックの技術によっても変わってきます。
ドナーさんは麻酔から覚めた後、2時間ほど休憩室のベッドに横になって休みます。
そしてその日のうちにホテルに帰ります。
こうして、エッグドナーさんから提供された卵子は、
あらかじめ採取し凍結されていたご主人様の精子と
ICSIによって受精され、培養器の中で、胚盤胞と呼ばれる状態になるまで、
約5日~6日間培養されるのです。
エッグドナーさんはとてもありがたい存在です。
エッグドナーさんに感謝ですね。
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